怖いです。現代の恐怖です。今そこにある危機です。
おそらく実話がベースとなっていると思うのですが、今、私達が暮らしている日本という国の黒い霧の中がリアルにえぐり出されています。「ルワンダの涙」や「麦の穂をゆらす風」といった他所の国の話ではなく、また、過去の話でもなく、普段何気なく生活している日常のすぐ隣の話というところがリアルな恐怖を感じさせます。
話の題材も良いのですが、演出もいいです。様々なカメラワークなどが観る者の心の奥底へ誘います。裁判所の雰囲気なんかリアルすぎます。裁判官の演技がすごいのはともかくとして、地味ですが、書記官の表情などはすごいな~と感心してました。
それでいて所どころ笑えるシーンがあるというのもビックリです。
監督・脚本の周防正行さん渾身の作品です。
演技に関しては、裁判所・検察周りの人や刑事など普段接する機会の少ない人達の印象が、そのままスクリーンに映し出されていたのがすごかったです。
また、主演の加瀬亮さん。追い詰められていく主人公を好演です。見慣れない顔だな~と思っていたら、「硫黄島からの手紙」で最近観たばかりだということに気付きビックリ。あぁ~こんな感じの演技をさせたら右に出る者がいないんじゃないかという気にさせてくれます。過去の出演作品の一覧を観ても、エッ!どんな役だったっけ?てなものばかり。何というか透明感とでもいうのでしょうか、普通の役者さんと一味違います。
2時間20分超の長尺ですが、きれいにまとまった作品です。これで最近話題のマスコミの馬鹿さ加減なども盛り込んだら面白いのでしょうけど、そうなると別の作品になってしまいますね。う~ん。。。よく考えたらこの作品、案外毒を薄めているのかもしれません。本当の現実をあらわにしてしまうと興行できなくなってしまいますからね。そういう意味では、ギリギリのところで踏みとどまって、エンターテインメントしている神作品といえるかもしれません。
テアトルダイヤにて
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それでもボクはやってない@映画生活