死刑の男
1883年、オランダに於いて、ブアメードという国事犯を使って、
ある実験が行なわれました。

実験の内容は、
「人間から、どれだけの血液を抜いたら死に至るのか」というものでした。

実験にあたった医師団は、ブアメードをベッドの上に縛りつけ、
カーテンで仕切り、その周りで話し合いを始めました。

そして、「三分の一の血液を失ったら死ぬでしょう」という結論に達しました。

医師団は「それではこれから実験をはじめます」
といってブアメードの足の親指にメスを入れ、
用意してある容器に血液をポタポタと落としはじめました。

数時間が過ぎて、ブアメードの枕元で医師団はこんな会話をしました。

「血液量はどれぐらいになりましたか?」との問いかけに、
「まもなく三分の一に達します」とかえした。

すると、それを聞いていたブアメードは目をゆっくり閉じ、
静かに息を引きとったというのです。

実は、医師団はこの実験で、ある心理実験をしていたのです。

ブアメードの足にメスを入れるといって針で痛みだけを与え、
実際にはブアメードの足はメスで切ってはいなかったのです。

当然、容器には血ではなく、あらかじめ用意しておいた水滴を垂らし、
滴るその音を聞かせていたのです。

しかし、ブアメードは、メスで自分の足を切られ、
自分の体内から血液がどんどんなくなっていったと思い、死んでしまったのです。
 
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