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DATE : 2007/09/26(水)

ウィリアム・フィクナー祭 第六弾:『コンタクト』

桜井が初めてフィクナー様を観た映画、それが『コンタクト』でした。その時の演技が印象に残り、桜井家ではその後現在に至るまで、フィクナー様は(当時は役者名が分からなかったので)"コンタクトに出てた人"で通じるようになっています。。。

因みに、今回「フィクナー祭」の為に改めて観直しましたが、観なおす前に覚えていたことといえば(ネタバレは除く)、

・主演はジョディ・フォスター
・主人公がすごく頼りにしている天文学者がいた(←これがフィクナー様演じるケント)

ぐらい。結構好きな映画なので、ビデオで何回も観ていたのですがね。超メインキャラの宗教学者の恋人など、「誰?そんなヤツいたか?」状態でした。。。
ファンとして目覚めたのは最近ですが、意外とフィクナー様との縁は古い。。。

と言うわけで、ウィリアム・フィクナー祭第六弾は、『コンタクト』です!

あらすじ

幼いころから宇宙への関心が高かったエリナー"エリー"・アロウェイは、地球外知的生命体の研究を行う電波天文学者となった。
しかし、地球外知的生命体探査は他の研究者たちからは相手にされず、エリーの研究チームはアレシボ天文台の利用権と研究予算を打ち切られてしまう。研究を続けるべく予算獲得に動く中、大富豪S.R.ハデンの目に留まったエリーは、彼から援助を受けることに成功し、アメリカ国立電波天文台の施設VLA(超大型干渉電波望遠鏡群)での観測を可能にしたのであった。
ある日、エリーは観測していた宇宙からの電波の中に、知的生命体からのメッセージを見つける。それはヴェガから届いたものだった。
ヴェガからの信号を解析しようとするエリーのチームであったが、そこへ政府が介入し、政治的宗教的問題が絡んだ国家規模のプロジェクトへと発展してしまう。
一方、ハデンの助言のもと、エリーはヴェガからのメッセージは、宇宙空間を移動できる装置"ポッド"の設計図であることを解読する。そして、設計図を元に"ポッド"が建設されることとなったが、"ポッド"への搭乗員は1名のみ。プロジェクトの中心となっていたエリーも有力な候補に挙がるが、その人選をめぐり、宗教問題が持ち上がる。結果、神の存在を信じず、科学的なデータしか信じないエリーは落選してしまい、代わりに選ばれたのはアレシボ天文台での予算を打ち切った天文学者であった。

レビュー

地球外生命体をテーマにしたSF映画と聞くと、宇宙人が地球に侵攻してくるアクション・スペクタクル映画を思い浮かべる。しかし、この映画はタコのような宇宙人もUFOも登場しない。『コンタクト』は、我々人類が地球外生命体と接触すときに起こりうるだろう問題を描いた映画なのである。
アメリカが主導権を握ると言う政治的問題もさることながら、ここでは『コンタクト』で取り上げられた宗教問題を見てみたい。
主人公エリーの「科学的な証拠が無いものは信じない」という姿勢は、まさに現代の科学者の姿といえる。しかし、そのエリーが、地球外生命体と接触によって神の存在を認めるようになる結末は、科学とは我々人類にとってどのような存在であったかというとこを物語ってくれているように思える。
そもそも科学はいかにして生まれたのか。そこには"神"という存在が不可欠なのである。
例えば、当時の世界観を覆したコペルニクスの地動説にしても、現代人のように"科学的"に検証した結果、天動説が間違っているから打ち出した理論ではない。コペルニクスは、"神"が創造した世界をもっと知りたいと思ったが故に、天体を観測し、宇宙の真の姿を導き出したのである。その為、この理論が発表された当初は、カトリック教会も地動説は"神"が創造した世界を現したものとして支持していたのだ。
欧米社会で"神"(或いは、"宗教")と言うと、キリストを連想するかもしれないが、『コンタクト』でエリーに存在を認めるか否かを問う"神"(或いは、信仰心)とは、もっと宇宙規模の"ある存在"と考えた方がよい[*1]。
例えば、ニュートンが発見した万有引力は F=G(Mm/r*r) の公式で求めることが出来るが、なぜ引力が存在するのかと言う問題は解決できていない。
現代の科学(或いは、科学技術)を持ってしても、解明できていない問題は大いにある。これらの問題について、"なぜ存在するのか"ということを考えるとき、そこに我々を超えた何かの存在を認めざるを得ない。
それは、『コンタクト』におけるエリーの「人類の存在」という問いにも当てはまる。
真理を探求するエリー。『コンタクト』は科学本来の姿を見せてくれた映画といえないだろうか。

*1:科学が発達したルネサンス期、"神"存在と言えば、やはりキリスト教の存在は不可欠と言えるが、このキリスト教には、古代ギリシアからの哲学思想も組み込まれている。また、キリスト教以外にも、アリストテレスやプラトンをはじめとする様々な哲学の思想が普及しており、これらの思想が科学者に与えた影響も大きい。つまり、単純に"神"="宗教"(特に、救済的な意味を持っての宗教、或いは、キリスト教)と結びつけて解釈することは安易である。

ウィリアム・フィクナー in 『コンタクト』

フィクナー様の『コンタクト』での役は、盲目の天文学者ケント・クラーク。盲目と引き換えに、聴力は鋭く、ヴェガから送られてきた複雑な信号音からも、他の研究者が気づかなかった音を拾い取る程である。
アレシボ天文台での研究のリーダー的な存在で、陽気な人柄のケントは、エリーが最も信頼し頼りにする天文学者である。エリーが緊張と不安の中"ポット"に乗り、ヴェガへと旅立とうとする時も、駆けつけたケントの存在に安堵する。また、"ポッド"が動きが不安定になり、誰もが中止を検討していた中、ケントだけが"ポッド"からのエリーの通信に耳を澄まし、彼女の「GO!」という指示を拾う。
こうした意味では、宗教学者の恋人パーマー・ジョスよりも、エリーの支えとなっている人物ともいえる。
残念ながら、ケントは研究チームのメンバーの為、エリーと政府とのやり取りがメインとなる映画の中盤は登場しない(ケントの話には出てくるが、彼の姿を拝見できるのは、アレシボ天文台時代と、ヴェガからの信号受信時、そしてエリーが"ポッド"に乗るときの場面だけである。)。しかし、フィクナー様の存在感のある演技によって、登場回数は少ないが重要人物であるケント・クラークは、映画の中でも印象に残る人物となっている。



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