クラウス・バデルトのファンで、カート・ウィマー作品好きで、フィクナー様落ちした桜井にとって、やはり外せない作品と言えば『リベリオン』!
…と言う訳で、ウィリアム・フィクナー祭第五弾は、カート・ウィマー監督の初監督作品『リベリオン』です。
#以下、あらすじ→作品解説→バデルトの音楽解説→『リベリオン』におけるフィクナー様→『プリズン・ブレイク』な見所(?)の順になっています。…何か?
リベリオン
あらすじ
物語の舞台は、第三次世界大戦が起こった近未来。政府は人々を争いのない平和な世界を約束する為に、感情を禁止―感情を抑制する薬"プロジアム"を服用させ、文学、音楽、絵画などを国家的に取り締まっていた。
主人公のジョン・プレストン(クリスチャン・ベール)は、その取締りを行う"クラリック"と呼ばれる捜査官。彼は政府に忠実に、銃を使う際に武術の動きを取り入れた格闘技"ガン=カタ"を駆使し、感情を持つ反乱者たちを殲滅していた。
しかし、ある日、"プロジアム"を服用できなかったプレストンは、感情を抱き始める。
自分が逮捕した反乱者メアリーとの出会いをきっかけに、感情を禁止する政府の政策に疑問を持ち始めたプレストンは、反乱者たちと共に政府を倒す戦いに挑む。
作品解説
SFアクションというジャンルではあるものの、『リベリオン』は人間の感情を取り上げたテーマの深い作品といえる。
特にラストシーンで、反乱者たちが"プロジアム"の生産工場を爆破した様子を見て、微笑むプレストンの姿が印象的。
反乱者たちの蜂起は、人々が感情(=人間性)を取り戻すための行動ではあるが、戦争のない平和な世界というのは破られるという事実がある。。。戦いが起こった情景に、微笑むプレストンの姿は、ある意味ぞっとさせる。
そして、この映画は反乱者たちの蜂起という形で終わり、その後の世界がどうなったのかは語られていない。人間性豊かな平和な世界が訪れたのか、それとも"怒り"によって争いの耐えない世界になったのか―それは鑑賞者の想像に任せられている。物語の結末は、ある意味現実世界を生きる我々へ還元されているのかもしれない。
#物語が大団円を迎えないこのプロットは、『ウルトラヴァイオレット』にも見られる。ここでも根源的な悪を倒すことが作品内の重要事項であり、主人公たちはその後どうすべきか(或いは、どうなったか)という問題は、鑑賞者への還元であり、鑑賞者への問題提起なのである。
人間は感情を持ってこそ人間らしく生きられるが、それには怒り、憎しみといった戦争の元になる"代償"も併せ持つ。―だから、平和な世界を気づく為に、人間は自分自身で感情をコントロールする必要がある…そのようなメッセージがこの作品には込められているのではないだろうか。
音楽解説
『リベリオン』はクラウス・バデルトがアメリカ進出をしてから―即ち、リモート・コントロール(旧メディア・ベンチャーズ)に所属してからの―の初単独クレジット作品。
静まった緊張感を表す電子音の使い方などは、後の『ポセイドン』に通じるものがある。
『リベリオン』はアクション映画というジャンルではあるが、そのスコアの半分以上は静かな(或いは、荘厳な)スコアであることに気づく。
これは、作品の基幹となる社会の重々しさや指導者たちの冷淡さを表現しているからである。また、ワーグナー調の音楽によって劇中のファシズムをあらわし、逆に民主主義をイメージさせるものとして、聖歌隊による音楽(オーケストラを使用する予算がなかった為、シンセサイザーや聖歌隊のサンプル音源を使用)を使用している。
作品の後半からアクション系のスコアが多くなるが、これらの激しい音楽は、主人公プレストンの抱く感情と対応しているかのように思える。プレストンが初めて"ガン=カタ"を披露した時、本来は派手なアクション・シーンでありながら、音楽がないことによって感情を持たないプレストンが表現されている。他方、感情を持ち始めてからのアクションシーンには、テンポのよいスコアが響き、プレストンの感情の変化を伺わせてくれる。
『リベリオン』は初単独クレジットにふさわしい、バデルトらしい音楽表現が見られる作品と言える。
ウィリアム・フィクナー in 『リベリオン』
…で、ウィリアム・フィクナー祭に戻ります。
『リベリオン』でのフィクナー様は、政府に対抗する反乱分子のリーダー、ユルゲン。
プレストンを見張っており、彼を仲間に誘うという役です。
出演時間からみるとかなり少ないのですが(他のファンの方の感想に「ちょっとだけ出てた」というのを見たことがありますが)、作品から見るとかなりの重要人物(だから、ちゃんと他のメインキャラを演じる俳優さんと共に、ポスターやチラシなどにクレジットされています)。
ユルゲンの役割は、感情には"代償"があるということをプレストンに語るというもので、このシーンは作品の内容から言ってもとても重要なシーンといえます。
役どころとと俳優の存在感という点から見ても、フィクナー様に相応しい役です。
また、メインで登場するのは後半ですが、映画の前半―指導者の人が演説をしているシーン―でも何気なく登場(演説を聞いている人々にまぎれている)しています。
初めて見る場合は、見落としがちなので、要チェックです。
ちなみに、ユルゲン役ではいつもの鬣ヘアではなく前髪があります。。。
余談。この作品でも『プリズン・ブレイク』な見所(?)有!
『プリズン・ブレイク』でリンカーン役のドミニク・パーセルが、シーマス役(冒頭で登場する反乱者達のグループのリーダー)で出演しています。反乱者ということで、立場としてはユルゲンと同じですが、この二人に接点はないようです。
■『リベリオン』各国公式サイト リンク集
□『リベリオン』ファンサイト リンク集
□William Fichtner in "Equilibrium" @ William Fichtner Official Fan Site
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